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感情のコントロールとコーピング

2008-12-26 | カテゴリ:本の感想、的な
 他にすることがあったりなんだりで、ちょっと普段より素っ気無く扱うと、

「私、コーチに嫌われてるんだ……」


はっ? ∑(゜д゜υ)

 ですよ。いや本当に。
 ジュニアを指導していて、子どもにこんな展開に巻き込まれたことはありませんか、私はあります、しょっちゅうです。もともと私は合理的な性格をしているほうなのですが、しかし一時期は、私はそんなに他人に対して素っ気無いのかと本気で悩みました。でもお互いに、限られた時間というリソースのなかで試行錯誤し結果を出そうとしているのですから、相手を信頼しなくてはやってられません。


 ジュニアの指導をしていると、
子どもがどれだけ周りの評価を気にしているか」ということを非常に強く感じることがあります。
 子どもたちは、自分のしたことやこれからすることについて、私の目の所在の在り処を、私の意識が向けられているかどうかを、私の解釈(評価)を常に気にしています。
 なんででしょう。
 私はいわゆる恐いタイプのコーチではないです。子どものやることなすことにイチイチ目くじらを立てることはないし、ヒステリーを起すこともありません。
 ただ、私はよくよく子供たちを観察するので、見られているという意識が、余計にそうさせるのかもしれませんが、見てなきゃ見てないで、「コーチは私を見てくれない、嫌われてるんだ……」が始まります。なんで!?
 こちらが疲弊してしまうほど、強烈に求めています。
 もちろん、コーチとしてはそれなりに期待もされるんでしょうが、なんていうんだろう……コーチと選手の関係というより以前の何か、たとえば、その子自身の自己肯定感を付与されるのを求められているように思えてなりません。なに?家庭でそんなに精神的に虐げられてんの?

 メンタルの弱い子ほど、評価を求めるくせに、受けた評価が本人の解釈的に歪んでいる(発した側の意図するものとは違った意図として受け取る)……といった傾向が強いようです。

 この春からコーチとして子どもたちの様子を見るにつけ、とりわけうちの少年団の子たちは、率直に他人と話をしない、意見のやり取りの仕方を知らない、傷つくことを怖れる、ちょっとしたトリガーで感情のコントロールが出来なくなる、といったことが多く、これが成長の大きな妨げになっています。

 感情のコントロールについては、
 「認知行動療法」という臨床医師がよくつかう治療方法の中の「コーピング(Coping)」という技術を活用して、感情をコントロールし、自らを変えていくという方法があります。

 この夏くらいからでしょうか、書店でよく平積みになっていますが、「「1日30秒」でできる 新しい自分の作り方」、もし可能であれば、一度手にとってみることをお勧めします。
 とても解り易く解説されており、文章レイアウトは空白も多く(笑)、読みやすいです。
 著者の田中・ウルヴェ・京はシンクロのアスリート経験者なので、スポーツの指導の面からも説得力があります。

 「認知」といえば、「認知症」が真っ先に思い浮かびますが。
 要は、事実に対し、自分がどう受け取るか、自分がどう評価するか、ということのようです。
 つまりは、事実に対する認識の仕方、心の捉え方に問題があると。

 代表的な「認知のゆがみ」を列挙してみると、以下のようなものがあるようです。

1.根拠のない決めつけ
 →なんの根拠もないのに、なんでも悲観的に決め付けること。「自分が大学受験に失敗したから、ダメな人生を歩むのが当たり前」

2.過大評価、過小評価
 →少しのミスを大袈裟に捉えたり、やり遂げた成功を過小に評価すること。「あんなミスをした私にはもう価値がない」

3.読心
 →他人が何か言ったりしたわけでもないのに、他人の気持ちを勝手に推測すること。「上司はきっとオレを嫌っている」

4.自己関連づけ
 →どんな悪いことも、自分のせいだと思い落ち込むこと。「あの人の過去がダメになったのは自分ひとりの責任だ」

5.べき思考
 →「~であるべきだ」と決めつけること。「自分は他人の前ではこうあるべきだ」

6.どうせ思考
 →「どうせ」が口癖になり、根拠なく可能性を否定し、なんでも悲観的に捉えること。「どうせ過去がダメな自分は永遠にダメだ」

 なんといいますか、どれもこれも当てはまる。


 毎回毎回、「いやそれ違うでしょ」と突っ込み続けてきた半年間のあれやこれやのパターンが、見事上記に凝縮されています。

 ゆがみのない認知をすることで、感情のコントロールが出来るようになります。腹が立つなら腹が立つ、嫉妬したんなら嫉妬した、まずは自分の現状を認識するところからスタートです。
 嫉妬したからといって、他人を傷つけてよい道理はどこにもありません。いじめだってそうです。

 事実(刺激)に対する評価(認知)が歪んでいるので、陰口を言ったり、野次ったり、一人で勝手にキレたり泣いたりするわけです。そして、これが本当に大変なのですが、子どもだから、周りに流されます、悪い影響ほどすぐに受けてしまう……スポーツの話以前の問題だと笑われてしまいそうですが、私のコーチとしての現実はこんな問題の連続です。子どももそうですが、親もです。
 どいつもこいつもモンペアばっかだな、と思いますが、私だって事実の受け取り方を間違えればモンペアになると思います。誰だってなるもんでしょう、と割り切るしかありません。認知のゆがみについての知識をもつことは、非常に重要です。

 田中・ウルヴェ・京は、「コーピングの教科書」、「ストレスに負けない技術-コーピングで仕事も人生もうまくいく!」など他にもコーピングについての本を書いていますが、中でもこの「「1日30秒」でできる 新しい自分の作り方」が一番分かりやすくて実践が簡単なので、おすすめしときます。
 一社会人としても、新年に向けての仕切り直しに役立つのではないかと思います。

 2009年、私のコーチとしての戦略は、「互いに信頼して腹を割って話をする」「感情のコントロールを身に付ける」この2点なくしてはなんの結果ももたらさないであろうと確信しています。
CM(0) | TB(0) | テーマ:バドミントン | ジャンル:スポーツ

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