ことバド。コーチ日記 > バドミントンラケット の感想、選び方 > 「弾き」と「球持ち」の違い、要求されるインパクトの質

「弾き」と「球持ち」の違い、要求されるインパクトの質

2008-11-05 | カテゴリ:バドミントンラケット の感想、選び方
 バドミントンラケットですが、ヨネックスの、
 「ナノスピードシリーズが嫌い……」と言う友人がいます。聞けば、「イマイチ合わない」と言うのです。
 何がイヤなのかわからないけど、なんかイヤなんだよねぇ……と。

 何でだか分かる? と聞かれたんで、私もしばらくの間なぜだろうと考えてみたのですが、先日、ナノスピード7700 をよくよく打ってみて、その「合わない」の理由が分かったような気がします。

 インパクトが、

 押し出すようなヒット の人は、ナノスピードで打つと、どうも「ぼすっ。」といった感触がするのです。

 あ、これか!?

 と思いました。


 私はすごく古い(20年近く前)ラケット、YONEXのAR70 エアロータス70 (2UG4)をまだ大事にしていて、時々思い出したように取り出しては振ってみたり打ってみたりするのですが、

 たとえば、クリア、

 エアロータスでの打ち方は、

「しっかりと当てて」「ラケットのしなりを使って」「グーン、と体と肩とで押し出すように」「上方で」「打つ」

といった具合だと思っています。
 これは私が昔、中学の部活で初めてバドを習ったときに教わった打ち方で、イマドキの指導とは違いますね。

 これに対し、

 ナノスピードでの打ち方は、
「素早いテイクバック」「素早い振り」「肘が視界に入った程度で止めて(110°くらい)」「そこから回内を使って」「一気に(瞬間的に)インパクトする」

といった具合です。
 打つ、というより、「瞬間的に」「パーン!」とはじく、という感じです。

 はじく、というのは、筋力パワーのある上手いお兄さんだと、ほとんど体の軸がぶれることなく、まるで手先だけで打っているようにすら、見えます。速すぎてインパクトが見えんですが、よくよく丁寧に見ると、しっかり回内(回外)を使っているのです。

 後者の打ち方で打つと、ナノスピードシリーズのラケットは「パーン!」と快音とともに綺麗な軌跡を描いてシャトルが飛びます。
 逆に、昔の打ち方で打つと、「ぼすっ」「ぼへっ」といった、なんだかえらく「おもしろくない」感触がします。振り遅れてるのか?差し込まれたのか?と疑念が生じますが、そうではなく、要求されるインパクトの質自体が、エアロータスとナノスピードとでは、全く違うのです。

 だから、軸回転運動で生まれるパワーを上手い具合にヒット時の衝撃として炸裂させることのできない人には、ナノスピードシリーズは「なんだか気持ちが悪い……」ものと感じるのかもしれません。

 何度も自分でラケットや打ち方を変えて試してみたので、これがファイナルアンサーでおそらく間違いありません。その人は、インパクトの仕方がナノスピード向きではないのです。打ち方を変えるかラケットを変えるかです。


 古いラケットを持ち出してみて、ラケットにはそれぞれ、そのラケット(製品シリーズのコンセプト)に向いた打ち方があるのだな、と改めて思い、なんだかしみじみしました。

 高卒後、私がバドから離れていた15年ほどの間に、ナノスピードシリーズが出、バドミントンはとても大きな変化を遂げたんだなと思ってみたり。

 だから、いろんなめぐり合わせで今、指導者の立場にありますが、自分の昔を思い、今を思い、初心を忘れることなく今に振り回されることなく、その上で、新しい技術や理論を積極的に吸収して、子どもたちに教えていきたいと思っています。

【ヨネックスのカタログから】






 ※あいにく身の回りにアークセイバーシリーズを使っている人がいないので、私もまだ打ったことが無いのですが、「くわえこむ球持ち」というのは、昔のエアロータスシリーズの感触に似たものがあるのかもしれない、と推察していますが、実際どうでしょうか。

 私の印象では、エアロータスは球をホールドします。

 非常に感覚的な表現ですが、
 ナノスピードが「パン!パン!」なのに対し、エアロータスは「ばびょ~ん!」といった具合です。
 「ばびょ~ん!」が言い過ぎならば、「スパン」or「スパーン」といった具合。インパクトのタイミングで、「ス」が入ります。

 エアロータスでは、
 軸回転運動を、瞬時にパッと炸裂させてしまうのではなく、そのままぐぐっと絞り込むようにしてシャトル押し出す、これがコントロール性に結びつくのだと思います。

 あいにく、エアロータスをイマドキの打ち方で打つと、打球感が鈍く、キレがなく、とても物足りないです。押しの強さが生まれない、よって攻める時に攻めきれない……そこを、イマドキの打ち方でも威力を発揮するよう解決したのが、アークセイバーの「くわえこむ球持ち→コントロール性」といった表現になっているのかな、と……

 勝手に想像してみたのですが……
 いや~~~これはこれで、全く違うラケットなのかな~~~(*´∀`)アハハン♪

 もののためしで、打ってみないと正直、分かりませんね。


 でも、もし、エアロータス寄りであるならば、
 シャトルの飛んで行く方向は、ヒット時の瞬間的なラケットの面の向きで決まりますが、「くわえ込む球持ち」であるならば、インパクトをしてからの方向転換が可能と言う事です。
 ……方向転換、と言っても、右に振るつもりだったのを、左に振る、とか極端な話ではありません。

 コンマ秒以下のミリセック世界の話です。

 インパクト時にぐぐっと絞り込むようにしてパワーを伝えることができるのならば、その際に方向を変えることが可能なのです。力を伝えるタイミングが、長いのですから。

 中学の時に買った古いラケット、エアロータス70を今なお私が愛用しているのは「ばびょ~ん!」の感覚が面白いからで、面を切る(瞬時にカットする)のではなく、打った時に面を変える、面を決め直す、ということができ、古いラケットだけど味があるなぁ~と常々思っていたのです。
 エアロータス使いの小手先テク好きな私が、実際にそうした操作を行うのですから、これは間違いありません。

 となると、アークセイバーシリーズは非常に面白いラケットであるかもしれません。
 もっさりしてる、とかイマイチ、とか、ようわからん、とかいう評判を聞いたことがありますが……ナノスピードシリーズのような弾き系ラケットしか扱ったことの無い人や、ガットをゆる~く張ったことの無い人(高テンション至上主義的な人もいますね)には、アークセイバーシリーズの特長を上手く表現できないのかもしれません。料理もその味覚が無い人はその味具合が分からないといった具合に……。

 素早くパッとインパクトさせてシャトルを手放してしまうことも、ぐっと堪えて面を決めてからあえて絞り込むことも、力の伝達させ具合で操作できるとあれば、私のような策略家タイプのプレーヤーには、また違ったプレーの面白さが出てくるのです。

 一度、ナノスピードシリーズのような、「弾き系」「反発重視」のラケットを使うと、あまりに素早く高性能なリターンっぷりにやみつきになってしまいますが、要求されるインパクトの質が違うことを考えると、改めて、ナノスピードシリーズ以外のものを扱う楽しみが出てきそうです。
CM(2) | TB(0) | テーマ:バドミントン | ジャンル:スポーツ

コメント

そのラケットは…。
私も中学時代に使ってました!
個性的な色をしていたので愛着が湧きましたw
高校生のときに同級生に譲ってしまったのですが、
あれ20年も前からあったんですね。
「ばびょ~ん!」の特性を生かして
ドロップを武器に戦ってました♪
2009/09/13 Sun 21:48 URL けーすけ[ Edit ]
けーすけさん、こんにちは。ritokooです。コメントありがとうございます。

 やー嬉しいですね、以前の記事を引っ張り出してきてもらって。私も改めて読み返してしまいました。
 エアロータス70は、文字が濃い目なピンクが入ってるんですよね。当時としては珍しかったかもしれないですね。でも思えば、現在でもブラック×濃い目ピンクで、女子のウェアにあるので、その系統の配色は、今でも何気にずっと残ってきてる気がします。
 今日の昼、ちょうどカタログを見ていたところでしたので。

 ラケットにはいろいろと個性があって、打ってみるとどれも楽しいですね。ラケットひとつでいろいろ違うし、ガット次第で全然違うし、打ち方だって、ラケットに合わせて変えたら、とっても楽しいことがおこります。道具を使うスポーツの楽しさがありますね。
 さてさて、新製品発売間近の、アークセイバーの新作が気になります……。

 こういう技術的な話もまた書きたいと思います。コメントありがとうございました。
2009/09/14 Mon 17:21 URL ritokoo[ Edit ]













管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://ritokoo.blog64.fc2.com/tb.php/55-fb63ff5f
← 「ことバド。コーチ日記」トップページへ戻る
ランキング
にほんブログ村 その他スポーツブログ バドミントンへ
blogram投票ボタン
バドミントン その他 スポーツ FC2ブログランキング
バドミントン スポーツ(全般) 人気ブログランキング
応援お願いします☆
おきてがみ
スポーツ>バドミントン用品
広告
トレンドマッチ
トラフィックゲート
ことバド。内を検索
カスタム検索
pitta!
当ブログオススメ本
スポーツオノマトペ―なぜ一流選手(トップアスリート)は「声」を出すのか
スポーツオノマトペ―なぜ一流選手(トップアスリート)は「声」を出すのか
人間の感覚には、音の響きに関する共通的な認識があるようです、これを上手く使わない手はないよ!⇒レビュー

五輪の身体
五輪の身体
その型をくり返すことで、砥石のように感覚を磨いていく……感覚を言葉にできる一流選手の言葉はすごく興味深いです。⇒レビュー

●ネットで注文→書店で受け取りするなら⇒全国書店ネットワーク  e-hon
アクアコラーゲンゲル エンリッチリフトEX